“古賀トロ部屋” BLOG版不定期な日記風コラム

東京都交響楽団に所属するトロンボーン奏者によるトロンボーン関連、その他モロモロ雑食系コラム

今回は自分にとって非常に大きな存在の方の訃報であり、可能な限りお知らせを回し、そしてお通夜、告別式と色々とお手伝いさせていただきながら、あっという間に4日間が過ぎ去った。しかし不思議と棺に眠られる先生のお顔を拝見しても涙が出てこなかった。実に安らかな表情をされていたからか。

直前の記事で舞台の上では泣くことが出来ながら、なんでこんなに悲しい出来事のはずなのに涙が出ないのか。

葬儀会場に真っ先に集まるお手伝いの面々にも涙がほとんど無い。笑いすらある。

もちろんこれはあくまで僕の立場での話で、ご家族の方々の心中は察するにあまりあるし、時折嗚咽も聞こえてくるが、特に先生に教えを受けた面々は笑顔が多かったような気がする。

永濱先生を語るときに、言葉で形容すると「笑顔の紳士」という風に必ず言われる。僕自身の経験から書くと、芸大の入試の際に、試験官の席ににこにこと笑顔でいらっしゃる先生を見てどれだけ安心したことか。

この記事を書く前に過去に撮りためた永濱先生のお写真を、ずっと眺めていたんだけど、笑ったお顔のなんと多いこと。日芸の吹奏楽定期での指揮姿もやはり、笑顔が多い。

先生に関するエピソードは本当はもっとたくさんあって、ただそれをここで披露してしまうと言うよりも、自分の胸にしまっておきたいというのが今の気持ちなんだけど、涙が出なかったのはやはり先生の笑顔、優しい人なつっこいお人柄がみんなの脳裏、記憶に焼き付いているからなんじゃないかと、ふと思った。

今回は年末の仕事納めの後という方々が多かったようで、僕が確認した限りでは、札幌や広島、鳥取など遠方からもたくさんの弔問の方々がお見えになった。裏方として手伝う僕たちも実はみんな何年ぶりに会うんだろうねという感じで。

去る3月6日に日芸をご退官されるのを記念して「濱金 永濱幸雄 新たな門出 金管アンサンブルの午後 vol.2」という記念演奏会を開いたばかりだったんだけど、その時にお会いした日芸OBの方々も大勢集まられて、追悼演奏の方はほとんど準備をやっていただいた。

弔辞は遠くフランスから最近CDをリリースされたばかりのミッシェル・ベッケ氏からのメッセージが読み上げられ、あとはトロンボーンアンサンブルの演奏でと言うことになった。曲目はもちろんベートーヴェン作曲の「3つのエクアーレ」。他に永濱先生が大変お好きだった美空ひばりさんの「川の流れのように」などを大人数の合同アンサンブルで演奏させていただいた。

写真の先に少し写っている光宝寺ご住職の福井さんは、実は芸大卒の元トロンボーン奏者。日本のトロンボーン界の父と呼ばれている山本正人先生の葬儀もこの場所で行われたそうだ。もちろんトロンボーンアンサンブルでのお見送りだったそう。

その後、初七日の法要にもありがたいことに参列させていただき、長い1日は終わった。これからも折に触れ先生のエピソードは書いていくかも知れないけど、とにかく今は長い間お世話になったことへの感謝とともに、ご冥福をお祈りしたいと思います。



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